Web制作会社がクライアントに提供できる付加価値についての考えまとめ

Web制作会社がクライアントに提供できる付加価値についての考えまとめ

Web業界に転職して、早5ヶ月が経ちました。前職Sierと仕事の進め方や環境、考え方の違いの大阪に日々戸惑いながらも、
自分のやりたかったWeb業界での仕事に日々充実しています。

そんな中、ディレクターとWeb制作会社が顧客に対して提供できる付加価値について話をしたのですが、あまりにも的を外していた意見でした。

ディレクターいわく「現代のWeb制作の付加価値はお客様の要望を何でも叶えることだ!」とのことです。

 

でも、それって単純に扱いやすい制作会社っていうだけで何も価値提供できてないのでは・・・?

っていうか、クライアントから「プロに頼んで良かった~!」と思われないようなWeb制作会社ってすごい勢いえ消えると思うんですよね。

 

付加価値と標準価値

そもそも、付加価値って世間一般的では何でしょうか。Googleで検索してみました。

付加価値(ふかかち、英: added value)とは、ある「もの」が有している価値と、それを生み出す元となった「もの」の価値との差のことである。 一般的に、何らかの「もの」を使って新しい「もの」を生み出すと、元々の「もの」より高価値な「もの」となる。

また、これはわたしの造語なのですが、標準価値という言葉を使います。
標準価値は付加価値の対義語として考えています。仕様・要求通りにWebページを制作して納品することを標準価値として定義します。

 

過去と現在

ここ数十年でWebで出来ることって凄く増えましたよね。
昔は、回線が遅かったせいもあってか、今の様に画像を駆使した美しいデザインなんて出来ませんでした。
どこもかしこも、CENTERタグが使われたサイトであったり、たまーに、maquee タグがあって文字が横に流れたり・・・。

そんないにしえの時代から考えれば、回線速度の向上やネットの普及、今では個人が一人に一つ自分のWebサイトやブログメディアを持つ時代に変化しました。

その中で、当然、昔は凄いと思われたりありがたいと思われていたことも「それくらいできて当然でしょ?」と考えられるようになります。

世界の技術レベルが進化していくと、お客さんの目も肥えてくるし要求もますます高くなってくる。
Web制作現場では常に目新しいものであったり、昔からずーっと変わらないほぼ正解に近いデザインを追求するなど時代に合った対応がますます求められるようになる時代になりました。

 

過去に考えられていた付加価値

以前は、こんなモノが付加価値として通用しました。

  • 成約率向上
  • 利用者の目線にたった使い勝手の良さ
  • サイトを通じて企業の好感度向上
  • ブランドイメージへの貢献
  • スマートフォン向け

でも、ここに書いてあることって最近のWebでは当然ですよね。
SEO対策という言葉が広く使われるようになって、UIやUXという言葉が特に広く使われるようになりました。

また、オムニチャネルの流行もあってかWebがただの認知度を上げるツールからしっかりと収益につなげるための明確な手段になっています。

こういった、時代の進化によって、昔はありがたがられていた施策も今では当然基本セットに入っている。くらいの感覚でいるクライアントが多くなりましたし、Web制作を行う側からしても「最低限やりますよ。」というスタンスで戦わなければ競争に勝つことができなくなりました。

 

顕在的ニーズと潜在的ニーズ

少し話は変わるのですが、Web制作の付加価値の前段として”ニーズ”について書いておきます。

Web制作を行う上で欠かせないのが、クライアントの現状を把握し、目標設定をするためにヒヤリングをすることです。

ヒヤリングの中で、クライアントが直接的にWeb制作担当者に求めてくる要求が「顕在的ニーズ」です。クライアントも課題感や不足感を認識していて、それが顕在化している要求です。

一方、潜在的ニーズは顕在的ニーズの様に表に出てきていなかったり、まだうまく言葉で整理できなかったり、単純にクライアントの知識が不足していることが原因で問題が問題であることに気付けていないものです。
往々にして、その潜在的ニーズが本当に叶えたいこと。または叶えなければならない事であるパターンが多いです。

 

Web制作の付加価値

Web制作会社がクライアントに提供できる付加価値についての考えまとめ

では、話を戻しますと。

これからのWeb制作に求められる付加価値って何なんだろう?という答えは大きく2つの柱で構成できると考えています。

 

潜在的ニーズを超える提案力

一本目の柱は、潜在的ニーズをヒヤリングで引き出し、そこから顕在化した問題を超える提案力です。

言葉にすると非常に簡単そうに見えるのですが難しい。過去の経験からクライアントに対して何度もヒヤリングを行っている中で、明確に「潜在的ニーズを超える提案が出来たな」と思える事例なんて、片手に収まってしまうくらい難しいです。

ここで覚えておきたいのが、顧客はWebのプロではない。という点です。
Web制作会社に制作を依頼してきている時点で、内製によってWebを作成するスキルを持った人がいるかもしれませんが、そこにリソースを割いている時間や優先度ではないのです。

その点、我々はWeb制作としてWebのプロとして現場を戦っています。Webに関するアンテナや問題意識や事例などには意識的でなくともかなりの数を触れているはずです。

その経験則から見いだせる成功法や失敗のパターンをクライアントが分かる言葉で定量的な説得力のある数字を使って説明することがプロとしての提案といえますし、クライアントはそれを望んでいます。

 

顧客を巻き込みけん引するリーダーシップ

もう一本の柱は、クライアント(担当者)を成功させるためにリーダーシップを発揮する意識と立ち振る舞いです。

クライアントが求めているWebサイトを作れただけでは不足点があり、実際にWeb制作を行う際にクライアントの窓口として立ってくれた担当者に対しての付加価値を提供できなければ、お金を払ってプロと契約して仕事をしたのに、目に見えているクライアントに対しての付加価値が全くありません。

「やっぱりWeb制作のプロに頼んでよかった!!」と思わせてこそ、制作会社としてのプライドが守れるってもんですよ。

リーダーシップという言葉を使っているのは、クライアントの指示に対してアドバイスやQCDを意識しながらクライアントコントロールするだけの仕事の仕方ではなく、

完全にクライアントをしっかりとハンドリングして、本当にたどり着くべき目標に着地させてあげるためにクライアントをマネジメントする行動をするため、リーダーシップという言葉をあえて使っています。

 

我々プロにWeb制作を依頼するクライアントが求めているものって、
当然、期限内に要求通りのWebサイトが出来上がることに変わりはないのですが、「自分の考えが及ばない範囲まで視野を広げてくれること」や「上司や関連部署への予算確保のための資料作成に役立つ数字をもらうこと」や「数多くの施策を打ち実績をあげること」を担当者としては望んでいます。そしてその先はすべて1点に収束します。

「評価をあげたい」

だって、これらを達成すればその担当者の評価が高まるんですから。給料が増えたり出世に繋がったり。
でも、こういった話はちょっと生々しいので絶対に顕在的なニーズとしては出てきません。

だからこそ、こういった潜在的なニーズがあることを理解する。
そして、目の前にいるクライアントと成功する。くらいの気持ちで仕事に臨むことは、Web制作担当としての仕事の進め方やコミュニケーションの品質に大きな差が生まれます。

言いなりになるWeb制作担当って扱いやすいから好まれるんじゃ・・・。って誤解する人がいますが、
結局、プロに頼んだ満足感を得られないんですよね。WebサイトのUXをどれだけ高めたところで、目の前にいて一番密にコミュニケーションしているはずのクライアントのUXを高めることが出来なければそれはプロじゃないです。
Webページ作成サービスとほとんど変わりません。

 

常にこの2本の柱がWeb制作の付加価値提供だとわたしは考え、常に実践するよう心がけています。

 

まとめ

クライアントの先にいる実際のユーザーのためを思ってサイトを作るのは当然ですが、目の前にいるクライアントの利益をとことん追求してあげることは、Webサイト制作の域を超えてクライアントとの良い関係を築くことができますし、

一度、リーダーシップをもって仕事をしてくれるWeb制作会社と仕事をして評価を得たクライアントは、多少値段が高くてもその制作会社を切り辛くなるので、Web制作会社側にも大きなメリットがあります。

 

Web制作の付加価値は「お客様の思いつきを叶えまくる」様な身を切りまくる考え方なんかじゃない。ってことを書きたかったです。

 

らいか
Web制作の価値が昔と違ってどんどん変わってきていて、ITの世界は1年でどんどん変わるのと同じくWebの世界も同じくらいかそれ以上かのスピードで変わっていく。その速さに対応できないとこれから生きていくことは難しいのですよ。成長意欲の無い人はどんどんWebの世界では淘汰されていきます。
Web制作会社がクライアントに提供できる付加価値についての考えまとめ

ABOUTこの記事をかいた人

工業高等専門学校を卒業後、NTTグループのSI企業に就職。数々の炎上案件を鎮火するために日本各地を5年間転々とする。2015年に一般ユーザ向けのWebシステム開発案件のチームリーダとして業務に従事し、改めて"Webのものづくりの楽しさ"に気付きWeb制作会社に転職。Web制作やアクセス解析を使ったオウンドメディアの運用改善などを行っていく中で、もっとユーザー目線でWebをただ制作するだけではなく企画や運用まで幅広い領域で仕事がしたいと感じるようになり、Webディレクターのキャリアを目指す。日本中のビジネスホテルに詳しく、犬や猫よりも鳥派。