5年間出張族をしていた元SIerが出張族とは何かを教える
こんにちは、最近Instagramを始めた、らいかです。
”出張族”ってことばをご存知ですか?
似ている言葉で有名なのが、”転勤族”だと思います。
転勤族とは
転勤族(てんきんぞく)とは、会社や官公庁で労働する上で、いくつかの支社等に勤務先が移動する人の俗語的表現。 その家族も含まれて指すことが多い。
よく、自己紹介や転職の面接などでこんなことがあります。
そういえば、出張族っていう言葉ってあんまり一般的じゃないなぁ~と感じたので、出張族についてもう少し一般的な言葉になればと願いながら紹介したいと思います。
出張族ってなに?
明確な定義がなかったので、わたしの経験から出張族を定義してみました。
出張族とは、このような人のことを指します。
- 1ヶ月のうち10日以上、自宅のある地域(関西、関東、東海、九州など)以外で仕事をしている
- 出張先に移動した日から週末まで連続して勤務している
- 月曜日に移動して金曜日の夜に帰ってくる生活をしている
- ホテル暮らしまたは、レオパレスなどウィークリーマンション暮らし
まとめると、
出張族とは
1ヶ月の営業日のうち半分以上を自宅(勤務地)以外の地域で働く人。ただし転居を伴うものではなくホテルへの長期宿泊やウィークリーマンション契約など、恒久的な勤務地指定とは異なり、期間限定の出張という形態で継続的に出張して働く人のことを指す。
出張族と転勤族の違い
出張族と近いのが、有名な転勤族です。
TV番組の秘密のケンミンSHOWで取り上げられているのは出張族ではなく転勤族ですね。
その違いについて簡単にまとめてみました。
項目 | 出張族 | 転勤族 |
---|---|---|
勤務地指定の有無 | 勤務地指定はされない。あくまで出張先として赴く。 | 正式に辞令が出て勤務地指定を上司から命じられる。 |
事前情報の有無 | 突然言い渡される。(土曜日の20時に言われて月曜日から出張なんてこともあった) | 比較的早期に転勤に関する情報が伝わってくる(TVであるような横暴な命令はあんまり無い) |
給与水準などの変化 | 基本的には無い。出張手当が出るくらい。 | 転勤先の地域水準に応じて基本給が変化する。 |
役職やポジションの変化 | 無い。ただし出張先でだけ有効な役職やポジションが与えられることがある。 | 栄転や降格人事などがある。良い転勤と悪い転勤が露骨に存在する。 |
家族を巻き込むか? | あくまで出張であるため本人のみ。 | 家族を含めて転勤をするか決断を求められる。なお、家族を元の土地に残すと転勤ではなく単身赴任になる。 |
出張族と転勤族の違いを比較してみました。
転勤族は家族を巻き込むなど、人生において大きなターニング・ポイントとなることが多い。
出張族って実際どうなの?メリットは?
出張族と聞くと、各地の美味しいものが食べれて優雅なホテル暮らしで―――――。
というイメージをもたれます。だいたい合っていますが、そこらへんを踏まえた上でメリットとデメリットのうち、まずはメリットを紹介します。
出張先々の美味しいご飯を食べることができる
これは一番大きいかもしれません。
わたしが出張先として経験したことがあって、特に最高だったのは北海道と福岡でした。
まず、北海道ですが宿泊していたホテルからタクシーで10分圏内のところで朝市が行われているとの情報をキャッチしたことと、わたしが寿司好きなのもあってか、朝の5時にタクシーを予約して5時30分から開催される朝市で水揚げされたばかりのマグロ握り寿司を食べたりしました。
―――もちろん、その後に普通に出社します。
次に、福岡です。
福岡の博多市に出張していたので、食べ物が非常に美味しい福岡の街では色々な物を食べる機会がありました。
でもやっぱり、最高に美味しかったのは「博多ラーメン」です。
濃厚なとんこつスープ。だけど喉越しはあっさり。
極細ストレート麺に辛子高菜をイン!思い出すだけでも最高です。
仕事終わりに各地の美味しい食べ物を食べれるのは出張の大きなメリットですね。
色々なビジネスホテルに詳しくなる
仕事ではなくプライベートで旅行をする時にも活躍すると思います。出張期間中は基本的にはホテルに宿泊します。しかし、ホテルは時期によっては研修で利用されているため予約が取れなかったり、コンサート等のイベントで値段が高騰していて決められた予算内で宿泊できない場合があるなど、出張族は「コレだ!」というホテルを見つけるまでその土地のホテルを10以上は転々として、予算内で理想的なホテルを探しています。
こういった試行錯誤の中で得られる体験は後々のホテル選びの時にめちゃくちゃ効果を発揮します。
(各地のオススメビジネスホテルとかいいホテルの見分け方とか今度書きますね)
会社近くのホテルを予約すれば通勤時間がほぼ無くなる
コレ実はデメリットに直結しているのですが、一応メリットです。
特に関東に出張した際には大きなメリットなんじゃないかなと思います。関東の通勤ラッシュってえげつないですし。
部屋を掃除することやゴミ捨てがしなくていい
わたしの様にめんどくさがり屋にとっては最高なのですが。この記事を読んで下さっている方はどうでしょう?
ホテルは連泊すると清掃やアメニティの交換、ゴミ捨てなどをやってくれます。
わたしのように10ヶ月連続で出張しているなど、長期出張族になるとほとんど年間を通して掃除やゴミ捨てを行いません。
賛否両論ありそうですが。
そこそこデメリット多い出張族
続いてデメリットの紹介をしますが、出張族って優雅な暮らしとは程遠いです。そこそこキツいです。ウィークリーマンションで住みたいなと感じることが度々あります。
ホテル暮らしは全然優雅じゃないし楽じゃない
「ホテル暮らしでした」って言うと必ず「いいなぁ」と言われるのですが、たぶんその想像は間違いです。。
想像を遥かに上回るくらい辛いところがあります。
ホテルの部屋ってホコリの量がヤバいの知ってます?
ホテルの部屋って、ホコリ凄いんですよ。
「いやいや、綺麗に掃除してくれてるじゃん」ですって?
違うんですよ、ホコリがヤバいのはベッドの下です。
本当にヤバいです。ここは魔界です。一流のホテルなどは綺麗にしているかもしれませんが、そこは安価で宿泊できるビジネスホテル。一流ホテルと同じレベルのサービスや清掃クオリティを求めてはいけません。
見えている部分は確かに綺麗です。清掃もかなりしっかり行き届いています。海外と比較しても比べ物にならない高い品質で清掃されています。
が、
ベッドの下だけは例外です。相当汚い。
ベッドの下に誤って、物を落としてしまって取り上げてみると掴めるレベルでホコリが付いてきた。なんてことは日常茶飯事です。
また、
「別に見えてないところなんだし気にしすぎでしょ」
そう思われたあなた。分かってません。何も分かってません。
人が歩くと足元では、あなたが思っている数倍の風が巻き起こっています。
ベッドの下にその風が入り込みます。そして部屋中を舞います。
どうでしょう。部屋は綺麗ですか?
5年間出張族していた、わたしから伝えれることは
ホテルの部屋では、おしとやかに歩け。ということだけです。現場からは以上です。
綺麗な夜景や大きなベッドはビジネスホテルには無い
こんなの、一流で大きくて高価なホテルだけですよ。
ビジネスホテルの窓から見える景色って何だと思います?そう、隣の一流で大きくて高価なホテルの壁です。それか夜通しどこかの電気がついているオフィスビルの窓。
また、ベッドも狭くて小さいです。
部屋も狭いです。ホテルの部屋の中に一人がけのソファがあるレベルの部屋って相当広いです。
(ここらへんのビジネスホテルの細かなレベル分けも独自の観点があるのでまとめます)
ベッドや枕が合わないと絶望的に身体が痛くなる
ベッドや枕って相性すごくありますよね?
ホテルで何連泊もしてみて下さい。身体のどこかが痛くなってきます。主に首回りと肩ですね。
たぶん枕が影響しているんだと思います。
枕を自由に選択することができるホテルは凄く優良なホテルです。これもいいホテルを見分ける1つの指標です。
出張族のほとんどは、首を痛めてるか出張し始めてから肩がこりはじめているはずです。少なくとも、わたしの回りに居た人はみんな同じことを言っていました。
これ結構つらいです。
始発と終電の概念がない
メリットの対極に位置するのですが、オフィスから徒歩圏内のホテルに宿泊している場合、始発と終電の概念がありません。
つまり、
とか
この2つの技が使えません。無尽蔵にサービス残業することが求められます。
また、仕事が忙しい時などは当然のように無限残業となります。
ひどいときは、宿泊している部屋を本当は家に帰らないと行けない人のシャワールームや仮眠室として利用してもらうなんてこともします。(いやダメだけどね)
他にもある細かいデメリット
実はデメリット多すぎて、書き始めると止まらなくなりそうです。
他にも、
- ランドリーをちゃんと利用しないと洗濯物が週1になる
- 自宅のホコリが0.5cmくらい積もる
- ホテルが同じ上司に飲み部屋として占領される
- 彼氏・彼女・妻・夫・子供と会えない
- 新幹線や飛行機に乗る時特有のワクワク感が乗りすぎて全く無くなる
まとめ
出張族は大変ですが、やっぱり各地の食事や別の地域の方とのジモトトークなど得るものが非常に大きいです。
また、地域によって仕事に関する考え方やスピード感なども違って、これからリモートオフィスの発達が進むにつれて
色々な地域で育った人と仕事をする機会が増えるかと思いますが、その時の会話のタネや考え方のギャップを知るいい機会だと思います。
その一方、無尽蔵に残業が出来てしまう状況や身体に与える影響など看過できないものも多数あるのでトレードオフでは有りますが、総合的に考えると「楽しかったな」という感想が出て来るので決して悪いものではないという認識でした。